◆何かいじわるな作品で、そこが面白いなって
――主演を務めている新作『みなに幸あれ』は、祖父母の家を訪れた主人公が、家に“何か”がいることに気づき、恐怖に直面する独特の空気感を持ったホラーです。ホラー作品は初挑戦ですね。
古川:お話をいただいた時には、純粋に嬉しかったです。さらに脚本を読んで、今までにない感覚というか、見終わった後に、何かが残るような作品という印象を受けました。
ホラーということで自分としても挑戦だし、ホラー映画自体としても挑戦的な作品になるんじゃないかと感じて、ぜひお願いしますと、出演を決めました。
――人間に対する根源的なメッセージを問いかけてくる作品でもあります。
古川:皮肉が込められているし、何かいじわるな作品だなと思いました。そこが面白いなって。
――確かにそうですね。登場人物たちに具体的な名前がないのもユニークです。
古川:脚本に“孫”と書かれていました。ほかも祖母、祖父、父とか、全員名前はなくて。固有の誰かの話ではなく、監督は、みんなに共通する話として捉えているのだと思いました。