◆百合とかき氷を食べながら「生きたい」と思った

――今作は、現代の女子高生の百合(福原)が、目を覚ますと1945年の日本にいた。そこで特攻隊員の青年・彰(水上)と恋に落ちるというラブストーリー。水上さんは特攻隊員の青年・彰を演じました。出撃するまでの間に、百合と出会うわけですが、彰として、どんなことを感じましたか?

水上恒司さん(以下、水上)「ふたりでかき氷を食べるシーンがあるんですけど、彰はあの瞬間に、“行きたくないな”と思ったと思うんです。福原さん演じる百合を見て、“この子ともっと生きたい”ときっと思った。その気持ちを、彰を演じる身として表現したいなと。なかなか心の中が見えない彰の、ポロっと気持ちが出た数少ない瞬間だったと思います。

特攻隊がどういうものかを僕たちは知っているから、あそこのシーンの残酷さが分かりますよね。残酷であり、もしかしたら彰が、生前一番嬉しかった瞬間かもしれないですね」