◆5人組が成立するかと思いきや

木曜劇場『いちばんすきな花』10話より ©フジテレビ
 そもそも彼らが共通の感覚として抱いているものは何だったろう。学生時分、先生から“2人組”を作ることを自然と促されることへの違和感だった。

 なぜ一人ひとり別個の存在が、わざわざひとつの固定の組をなす必要があるのか。

 潮ゆくえ(多部未華子)、春木椿(松下洸平)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)の4人は、大人になった今でもそのことが理解できないでいる。椿にいたっては花は好きだけれど、勝手に束で集められる花屋は嫌いだとさえたとえる。

 そんな彼らの元へ共通の友人である塾講師のみどりちゃんこと、志木美鳥(田中麗奈)が現れる。4人プラス美鳥で素敵な5人組が成立するかと思いきや、美鳥はそれぞれ一人ずつと向き合える2人組のほうをむしろ好んだ。