◆もっとも複雑な内面を持ったひとり

木曜劇場『いちばんすきな花』10話より ©フジテレビ
 あるいは、自分が知らないうちにグループ全体がひとつの方向性へ向けて団結してしまっていることなども、3人以上の組になるのを避けたい理由かもしれない。楽しいことは楽しいけれど、あの5人組の時間は居心地がいいものではなかった。

 美鳥が確認するのが、グループLINEではなく、椿、夜々、紅葉それぞれとの個人LINEであることも象徴的だ。ゆくえも含めれば、心地よい2人組を合計4つも持っている美鳥。

 世間に対する違和感を抱き続けてきた主要登場人物の内、実は美鳥こそもっとも複雑な内面を持ったひとりなのだろう。ゆくえに見送られた美鳥は、果たして東京に戻ってくるのだろうか?