「ウエストランドがM-1グランプリで優勝したり、鬼越トマホークがブレイクしたりなど、2022年から23年にかけては、毒舌系の芸人が人気になった時期でもありました。コンプライアンス遵守やポリコレ配慮の流れのなかで“人を傷つけない笑い”にスポットが当たった後の反動というのもあったのでしょう。ただ、毒舌を求める空気がありつつも、“おもしろいけど、この表現は大丈夫なのか?”と微妙な空気が流れてしまうこともあったんですよね。
そういったなかで、少しずつ試行錯誤を繰り返した結果、誰もが素直に笑えるような不満企画が、今このタイミングでやっと成立するようになってきたのでしょう。
1年から2年ほどの微調整の期間があったからこそ、“多様性に配慮”ということに意識しつつも、どこまでがOKでどこからアウトかという認識が共有されるようになったということです。以前であれば、過激な方向に進みがちだった毒舌も、今の状況であれば“いい塩梅の不満企画”となる。それこそ“人を傷つけない毒舌”というフェーズに入っているのかもしれません」(同)
バラエティー番組では、笑いとともに爽快感を求める視聴者も多い。そういった意味では、芸人やタレントたちが不満をぶちまけるという企画は、間違いなく需要がある。今後、“不満ぶちまけ番組”が乱立する展開もありそうだ。