◆2:いい意味で淡々とした実家のような安心感

 タッチパネルがあることの効用は他にもある。注文する必要がなく、タッチパネルで「会計」のボタンを押して、伝票をレジに持って行けば会計ができるため、日高屋に入って店を出るまで店員とのコミュニケーションは最小限で良い。一言も発することなく、お腹を満たすことができるのだ。

 日高屋にいると人と人との触れ合いを気にしなくて良い。利用客はただ黙々と飲み食いをしており、周囲を気にすることなく自分だけの世界に浸れる。

日高屋のメニュー
ファミレスや居酒屋でもよく見かけるようになったタッチパネル
 もちろん団体客もいる。しかし、ただただ無言で食べ進める人が多いからなのか、大きい声で話す人は少ない印象。カフェで制服を着た学生が勉強している姿を見ると、人はどうしても話し声を小さくしたくなるものだ。それと同様に「あまり騒がしくするのも何か悪い」という心理が働くのかもしれない。加えて、店内が明るく、学生や子連れなど幅広い利用客がいるため、下世話な話を大声で話せる雰囲気でもない。

 そういったいい意味で淡々とした雰囲気なので、ナンパのように誰かから話しかけられる心配もあまりない。女性に限らないが、店内の居心地が良いからこそ、多くの利用客やリピーターを生んでいるのではないか。