◆過酷な環境に生きる猫を助けられるのは、人間だけ
「どんな野良猫ちゃんも、とても過酷な環境で生きている。寒くても暑くても怪我をしても、病気になっても、お腹が空いても、痛くて自分で治せなくても、みんな生きようとしています。その苦しみや痛みを減らしてあげられるのは、人間だけだと思うんです」
治療を受けてすっかり元気になり、オモチャで喜んで遊び、ご飯をおいしそうに食べ、スヤスヤと眠ってくれるようになった、バジルちゃん。その姿は幸せを与えてくれると同時に、動物の命の重さを考えるきっかけも与えてくれました。
誰にも知られることなく、ひとりで痛みに耐えていたかもしれない小さな命が、イタズラもできるほど逞しくなった――。その事実を知ると、身近にいる野良猫の守り方も考えたくなります。
<取材・文/古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291