「チーズバーガー」というメニューを初めて掲げたのは、ケンタッキー州ルイビルの「カエリンズ・レストラン」という店だ。1934年、経営者のカール・カエリンは、妻が学校の子供たちのためにハンバーグを作りながらチーズをつまんでいるのを見て、チーズバーガー作りをひらめいた。1個15セントで販売した。
しかし、カール・カエリンはチーズバーガーを商標登録しなかった。最初に商標登録したのはコロラド州デンバーの「ハンプティー・ダンプティー・バレル」というドライブインだ。1935年、経営者のルイス・バラストはチョコレートとピーナッツバターをトッピングしたハンバーガーを開発したが、試作品を食べた店の担当者が「チーズの方が合う」と勧めたことから、チーズバーガーを新メニューに加えた。
それぞれの地域は、「チーズバーガーの発祥地はここだ」と主張している。これとは別にコネチカット州には蒸しチーズバーガーというメニューが19世紀後半からある。ハンバーガーとチーズを鉄板で焼くのではなく、共に蒸したものをパンに挟んだバーガーだ。チーズバーガーの発祥地論争の外で独自の味を追及している。
米国の象徴的な食べ物だけあって、チーズバーガーにはドラマが多い。