◆異質なホームドラマ
10月期のテレビドラマは、力作ぞろい。通年で見ても打率がかなり高いと思う。刑事物、サスペンス、青春ラブストーリーなどまんべんなく網羅される中、ひときわ異質なホームドラマがある。
あからさまに異質なのではなく、ふんわりした外皮に包み隠されている、むっつりな作品。菅野美穂主演の『ゆりあ先生の赤い糸』だ。
この人が出るとドラマ全体のトーンが、パッと明るく柔らかい雰囲気に包まれる。最初は何気ない日常から始まったとしても、彼女の演技がストーリーの核の部分にぐんぐん迫る力強さを感じさせる。
菅野のそうした表現力が推進力となって、本作のドラマは、心地よくも奇妙に進んでいく。
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