◆誰かの幸せじゃない、自分だけの幸せ

“年に1回は海外旅行をしたい”、“車は絶対に外国車”、“将来は郊外に一軒家を建てる”、etc.。人にはそれぞれ願望があって、心の感度も違います。

「ああ、幸せ!」と歓喜する瞬間が、高級エステを受けた時の人もいれば、挽(ひ)き立てのコーヒーをお気に入りのカップで飲んだ時という人もいます。「贅沢(ぜいたく)に興味なし」な福々さんの不安材料は、こうして減っていきました。

お金はもちろん大切ですが、もっと大切なのは、自分の人生をどうクリエイトしていくかという点。お金や婚活に翻弄された福々さんが、「どう生きたい?」と自問自答した先に、神様はとっておきの縁を用意していました。

会社員もフリーランスも、結婚してもしなくても、人生に不安は付きもの。あなたはどう生きたいですか。あなただけの幸せは何でしょうか。不安も、幸せも、生み出すのはあなた自身だということを、本書はおしえてくれるのです。

<文/森美樹>

【森美樹】

1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx