◆不安を分かち合いたい

未来への不安をひとりで抱えるのはいや。もしも体調を崩したら。もしも仕事が途切れたら。起こっていない未来を想像して、また不安に苛(さいな)まれる。ある日、福々さんは思うのです。「せめて誰かが一緒に歩いてくれたら…」と。こうして福々さんは、結婚相談所の扉を叩きました。

婚活のきっかけを問われた時、「愛する人とあたたかい家庭が作りたいから」と、さもそれっぽく答える人が、いったいどれほどいるでしょう。「早く子供がほしい」「実家から出たい」といったシビアなこたえもあるかもしれません。でも根底にあるのは「不安だから」ではないでしょうか。

明るい未来よりも暗い未来を想定してしまっている。悲しいけれど、私達は皆、希望というはかなさを知ってしまっているのです。