◆若さと老齢を同時に持つ朝ドラ主演
大河ドラマで主演をやっていないことが理由であるわけもないだろうに、ではNHK朝の連続テレビ小説が、19年ぶりに主人公を男性にした『マッサン』(2014年)はどうだったか。
北海道の余市を舞台に、スコッチウイスキーを醸造する同作で主演の玉山は、マッサンこと亀山政春を演じた。
第1週第1回冒頭は、1970年代の式典場面から始まり、初登場にしてメイクでだいぶ老け込んだ玉山鉄二の姿が映った。そこから1920年、日本に帰着する船上へ舞台はさかのぼる。海から日本列島を望む、若々しくも滋味深い政春の横顔が清々しい。
当時、玉山は34歳。俳優として次のキャリアに入ろうかという時期の朝ドラ主演だった。
70代から20代への若返りを見事に見せながらも、やはり冒頭で最初に老人姿を見せられては、視聴者が玉山に抱く年齢の感覚が麻痺するようにも思う。若さと老齢のイメージを同時に持つ玉山はそれくらい強烈だった。
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