◆朗読劇は「大草原にも、宇宙にも行ける」

藤田朋子さん
――朗読劇は、どういうところに醍醐味を感じますか?

藤田:朗読劇って、通常の演劇表現と違って、ビジュアルの部分はあんまり関係ないんです。50代になっても小学生の役ができるし、小さな空間にいるのに大草原にもいられる。宇宙にも行けるんです。

 声と表情だけで伝える無限の表現世界。第一回公演の感想にもその醍醐味にハマって下さった嬉しいコメントもありました。ふたりでシリーズ化したいなというのが今の野望です(笑)。

――それこそ“人の生き方”に関わって来るような、人生のテーマでもあるわけですね。

藤田:お仕事って、楽しいと思って始めたはずなのに「やらなきゃいけない」という気持ちになったりすること、ありませんか?

 朗読劇に協力してくれた方々は、普段は演技をしたり、音声をやったり、写真を撮ったり、イラストを描いたり……を「生業(なりわい)」にしている人たちです。

 でもこのプロジェクトに関しては仕事としてではなく「やりたいことだけを楽しんでやる!」をコンセプトに集まって下さった。次回も今から楽しみです。

<取材・文/トキタタカシ>

【トキタタカシ】

映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。