当然だが、ユビッジャのやることは、まったく同じだ。変なかっこうで、変なボケをただ連発する。もとよりコミュニケーションを取るつもりはなく、相手がツッコんでいる途中でもボケをかぶせてくる。かと思えば、意外にクレバーな大喜利的発言がいきなり飛び出してくる。
ものは試しに、今回の「粗品vsユビッジャ」を見た後、ブラウザのタブを2つ開いて、再度「粗品vsユビッジャ」と「森本vsユビッジャ」を開き、数十秒ずつ交互に見てみた。すると、不思議な感覚に陥った。
ユビッジャが、世界の王に見えてくるのだ。粗品も森本も、ユビッジャにかしずき、奉仕に勤しむ家臣だ。明らかに過酷な労働を強いられながら、それでいて多幸感にあふれている。亜空間と亜空間。粗品と森本は、異形の王に導かれた神の子どもたち……。
「粗品のロケ」が42分、「タイマン森本」が18分。ザッピングしながら、合わせて1時間が溶けた。なんだこれは。勘弁してくれ。
(文=新越谷ノリヲ)