◆今の時代に合った女性の姿に共感が集まった

『下剋上球児』は、三重県立越山高校野球部が甲子園に出場するまでの物語を描いた骨太なストーリー。2018年に三重県立白山高校が甲子園初出場を果たすまでの足跡を綴った同名のノンフィクションを原案としている。

 弱小だった野球部を強豪へと必死に育て上げるのが、地理歴史担当の社会科教師・南雲脩司(鈴木亮平)だ。

 夫に対して家庭との両立を望むのが、井川扮する妻の美香。第1話では野球部監督就任を渋る脩司に対して「やるならやる、断るなら断るで」と三重弁ではつらつと促す。

 東京の職場へ復帰する第4話では、四苦八苦しながらも何とかやり切る姿が印象的だ。実は教員免許を持っていなかった脩司が苦境に立たされると、結果的に妻としてしっかり支える。

 東京から三重に戻り、リモートワークでバリバリ働くと意気込んだりもする。今の時代に合った自立した女性の姿に視聴者からの共感は集まったのだ。