◆ロスを巻き起こした『光る君へ』の直秀役

役柄がガラリと変わり、大河ドラマ『光る君へ』の直秀役も非常に魅力的です。本作では『源氏物語』を生み出した紫式部/まひろ(吉高由里子)と平安時代の最高権力者となる藤原道長(柄本佑)の“想い”を軸に、さまざまな人間模様が描かれています。

毎熊が演じた直秀は、町辻で風刺劇を披露する散楽の一員で、歴史に記されてはいないオリジナルのキャラクター。平安の時代にいたかは分からないけれど「絶対にそこにいた!」と思わせるリアリティを毎熊は直秀に吹き込んでいたと感じます。あまりに遠い昔でどこか現実的ではない平安の世界を、直秀は私たちと同じ視点で観ている存在だったのではないでしょうか。