直秀演じる毎熊克哉さんの存在感は、少女マンガのような一面のある『光る君へ』において大きく、直秀とまひろが登場するシーンは背景にバラの花やキラキラが見えるような気がしていましたが、そういう場面も見られなくなってしまうのですね。直秀は物語の潤滑油的な存在として重要だとは思ったので残念です。手足の縄を切って、浅く埋められただけなので、息を吹き返していたというまさかの展開を期待したいところです。
その一方で、道長のプリンスぶりも際立つ回でした。「死のケガレ」もなんのその、死んだ直秀の手に(その魂の高貴さを象徴するのであろう)扇を握らせ、従者を呼びにいくわけでもなく、自ら穴を掘って埋葬しようと試みる道長のやさしさに、まひろは胸キュンしていたようです。次回のドラマでは、そんな道長をずっと見守る、つまり「推し続ける」と宣言するシーンが出てくるようですが、当初予測していたように「推す」だけでは済まない気がします。どうなることやら……。
――などと書いていると、次回の花山天皇(本郷奏多さん)出家のエピソードについて触れる余裕がなくなってきました。史実でも寛和2年(986年)6月、花山天皇は藤原道兼(ドラマでは玉置玲央さん)から「一緒に出家しよう」とそそのかされて宮中を脱出しました。そして、そのまま自分だけ剃髪させられたのに、誘った道兼は出家せずという「出家するする詐欺」に巻き込まれ、あえなく退位に追いやられています。まぁ、このあたりは次回のドラマの中心部分になってきそうですし、また次回にお話したいと思います!
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