新潮の発がん性物質「PFAS」連続追及は、大手紙も後を追うようになってきた。 

 PFASとは、1万種以上あるとされる有機フッ素化合物の総称で、自然界には存在せず分解されにくい性質のため「永遠の化学物質」とも呼ばれているのだ。

 一度でもヒトの体内に入ってしまえば、血液を循環して臓器に蓄積してしまうため、仮にPFASの摂取を完全に止めても、取り込まれた量の95%を排出するのに、およそ40年もの時間がかかるという試算もあるという。

 さらに恐ろしいことにはWHOのがん専門の機関であるIARC(国際がん研究機関)が、PFASの一つであるPFOA(ピーフォア)についてヒトへの発がん性を認定。「腎臓がん」をはじめとして、高コレステロールを伴う「脂質異常症」や「免疫不全」、「胎児・乳児の発育低下」など、さまざまな健康リスクが指摘されているのである。
今回新潮は、比較的安全だといわれているミネラルウォーターにもPFASが潜んでいる可能性があると、主要ブランド46本の国産ミネラルウォーター製造会社にPFASについて質問をしている。

 その回答はいかに?

 新潮によれば、ミネラルウォーターの市場規模はいまや4000億円を突破しているという。
質問は、「PFASの濃度を検査しているか」「検査結果の具体的な数値」「最新の検査日と頻度」についてだ。

 この中で唯一回答がなかったのは「伊賀の天然水」を販売する「日本サンガリアベバレッジカンパニー」だけ。

 では、他社が優良かというとそうではないようだ。

「イオントップバリュ」は検査の有無を明かさなかったそうだ。

 まあ、信用できない社はいちいち取り上げない。

「今回『三ツ星』に値すると評価できたのは、『温泉水99』『天然活性水素水 日田天領水』『霧島天然水 のむシリカ』の3本のみであった」(新潮)

 相変わらず国の動きが鈍いため、ミネラルウォーター会社も、まあそのうちにと高を括っているのであろう。

 だが、その間にもPFASを体内に蓄積している子どもたちがいるのだ。新聞、テレビももっと政府に対応を迫るべきではないか。手遅れでは済まないのだから。