◆歯止めの効かない復讐心と躊躇ない手口

 不倫を含めた復讐ものでは、登場人物が敵役に同情してしまい、踏ん切りがつかずに躊躇するケースは珍しくない。しかし、みのりに迷いは一切ない。不倫が決定的になったことを弁護士の友人・堀紗良(太田莉菜)に伝えた際は、「本当の意味で罪を償わせたいの」と口にするみのりに、「もう1回向き合ってみたら? ちゃんと話し合うの」「みのりのためだけじゃないからね。翼くんだっているんだよ」と制止を促されるほどハイになっていた。

 歯止めの効かない復讐心に駆られているみのりは、不倫相手の息子というだけで一切罪のない渉にまで近づいて篭絡(ろうらく)しようとするほど暴走している。その思い切りの良さも面白さにつながっているように思う。

 みのりがどこまで暴れ狂ってくれるのかに注目しつつ、どのように復讐を完結するのかも今から楽しみに待ちたい。

<文/望月悠木>

【望月悠木】

フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki