◆従来の不倫ドラマとは一線を画す衝撃の切り口

 とはいえ、不倫ドラマだから注目されているわけではなく、『夫の家庭を壊すまで』だからこそ注目されているように思う。勇大は理子と10年以上も不倫関係にあり、理子の高校生の一人息子・渉(野村康太)とも交流がある。“夫の家庭”とタイトルに入っている通り、勇大はみのりと翼の3人家族とは別に、理子と渉の3人家族にも属しているのだ。もちろん、理子と婚姻関係は結んでおらず、渉は勇大と理子が不倫関係であることを知らない。それでも“三宅家”の3人は10年以上も仲睦まじく信頼関係を深めていた。

 勇大に不倫されていただけではなく、よそで家庭を築いていたことに長年気付かなかったみのりの鈍感さにツッコミを入れたくなる。ただ、そこに引っ掛かることが野暮に思えるくらい“不倫夫の家庭を壊す”という切り口はインパクトが大きい。従来の不倫ドラマとは一線を画す、大胆な設定になっていることが本作の期待感を生んでいるのかもしれない。