◆彼から同棲の提案。

 そして、ある日Hさんから「結婚を前提に、一緒に住んでくれないか?」と誘われます。

「とても嬉しかったのですが、ちょっとその前に確認しておきたい気になる事があって」

 実はHさん、なぜか裕美さんの前ではお風呂に入っても頭は洗わず、頭を触られるのも嫌がるそうで…。

「多分、頭頂部に部分的なカツラをつけているんだと思います。この間、寝ている時にちょっとズレてカパカパしているのを見てしまったんですよね…」

もしかしてカツラ 
 Hさんは可愛らしい顔立ちでスタイルも良く、年齢よりもかなり若く見えるので、きっと「頭頂部のハゲさえ隠せば完璧なのに」と悩み、カツラをつけるようになったのではないか?と想像する裕美さん。

「私はHがハゲていようが、関係なく好きなので…一緒に暮らすようになる前に彼に本当の事を言ってもらいたかったんですよ」

 ですが、Hさんを傷つけないようにどうカツラの話題にもっていくか裕美さんは悩みます。

「考えても、考えてもどうしたらいいのか分からなくて…つい冷蔵庫の缶チューハイを開けてしまったんです」