◆彰子に自身を重ねる一条天皇

NHK『光る君へ』第28回
一方、道長は相変わらず一条天皇(塩野瑛久)について頭を悩ませていた。定子(高畑充希)を寵愛し続ける一条天皇。しかし、このままでは世が乱れるばかり。

そんな道長に安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)が提案したのは「一帝二后」。ひとりの帝に対して、皇后と中宮を立てるということだ。これは今までに前例がないことになる。

もちろん、一条天皇はこれを拒む。自分の后は定子だけ。一条天皇の中で、后をもうひとり立てれば、定子が悲しむだろう、という思いもあった。

NHK『光る君へ』第28回
そんな中、一条天皇は彰子(見上愛)のもとを訪れる。自身の笛を聞かせる一条天皇だが、彰子はそちら見ようとしない。なぜ自分のほうを見ないのかと問う一条天皇に彰子は「笛は聴くもので見るものではない」と答える。この答えに、一条天皇はわずかに微笑む。一条天皇は「おもしれー女」が好きなのだ。

そこで、一条天皇は、道長が彰子を中宮にすることを望んでいるがどう思っているのかと問いかける。しかし、彰子は「仰せのままに」と言うだけ。これでは一条天皇の心を掴めない……周りは落胆する。が、一条天皇は父親の言いなりになっている彰子に、自身を重ねていた。それなら、彰子を形のうえで后にしてもいいかもしれない、と心を動かす。何が良い方向に作用するか分からないものだ。