■なんだこのトンチキな話は

 今回の死人は、どっかの崖から身を投げた20代の女性でした。現場に「峯岸美江」名義の免許証と美江さんの自筆の遺書があったことから、警察は自殺と断定。夫もいますし、身元がわかっていますので、身元不明人相談室には関係がありません。

 この美江さん(東野絢香)には、3年前に捨てた元婚約者の男がいました。この男は「美江さんが僕を捨てるわけない」「どっかで死んでるかもしれない」という理由で、サクラとマコトの働く相談室に入り浸っていました。この時点で、かなりヤバいです。

 遺体が美江さんと断定されたことを、捨てられた元婚約者に「誰が伝えます?」と話し合う相談室の面々。別に伝える必要はないし、なんで相談室に遺書の筆跡鑑定の結果が届いているのかもよくわかりませんが、とにかく身元が判明しているのだから相談室の業務外であることは間違いありません。

 ところが驚くべきことにサクラとマコトは、ご遺体とは現在まったく関係のないこの男を安置室に通し、顔を見せてやります。なんの権限でそんなことをしているのか。サクラは男に「身内の方には少し席を外してもらっていますので」と言います。つまり、妻が自殺したばかりの夫に対して「元婚約者が死体を見たいと言っているから席を外せ」と命じたことになります。どこの誰だかわからない男に、妻の遺体を見せたいから席を外せ? 警察署内で警察官にそんなことを言われる遺族の気持ち考えたことあるんでしょうか。