◆インフルエンサーの差別発言が執筆のきっかけに

――この作品を執筆した経緯を教えてください。

五十嵐:いつか「自分の体験を漫画に描きたい」と考えていたのですが、あるインフルエンサーの方がYouTubeで発信した、生活保護受給者やホームレスの方に対する差別発言が執筆を早めるきっかけになりました。その動画には、批判が集まり削除されましたが、彼と同じ意見を持つ人も少なくないと思います。

でも、よく問題点を指摘される生活保護の「不正受給」は、全体の1%以下だったり、日本の生活保護利用率は諸外国に比べて低い、保護されるべき人に制度が行き届いていないという実態はあまり知られていません。そのため、世間のマイナスイメージが先行して生活保護を申請しづらい世の中になっています。

生活保護利用者への偏見が巡り巡って、貧しさを理由にした自死や孤立死につながっていると言われているんです。

『東京のど真ん中で、生活保護JKだった話』1話より
『東京のど真ん中で、生活保護JKだった話』1話より