◆40代以降でも「エリア」選びは慎重に

 生活環境に大きく左右される、郊外ベッドタウンでの暮らし。40代以降が「おすすめ」とする乃村さんですが、移り住むエリアは「慎重に吟味してほしい」と話します。

「みなさんが郊外のベッドタウンに抱くイメージはさまざまですが、実際にはピンキリです。昨今は都市部から少し離れて予算が抑えられる郊外ベッドタウンも人気ですが、例えば各都道府県の県庁所在地などのように、エリアとしては近くとも、少し離れただけで住宅の値段に1000万円もの差が付く場所もあるんです。

 住宅の値段は、エリアごとの生活レベルを表すといっても過言ではありません。そのために、ご近所とのカルチャーギャップに悩まされる40代以降の方もいます。例えば、年収の違いは、コミュニケーションにも表れます。

 年収800万円の世帯、年収300万円の世帯では生活習慣も変わりますし、ふと『この間、海外旅行でどこどこへ行って』となにげなくした世間話をきっかけに、のちに『あの家の誰々さん、見栄を張っちゃってさ』と、ご近所同士で絵に描いたような陰口を叩かれてしまうケースも実際にあるんです。お子さんの年齢によっても会話の内容は変わってきますし、同世代が集まるエリアかどうかも、検討するべきです」