■一方、錦戸亮と芳根京子はオトナです

 一方で、錦戸亮が演じる心臓血管外科のエキスパート・大友先生はオトナな立ち居振る舞い。新しく海斗くんが立ち上げるという新病棟プロジェクトから理不尽に外されても声を荒らげることもないし、自分のやるべきことを粛々とやっているように見えます。

 バイト先の高級クラブでひっかけた太客おじから妹の手術代を“頂き女子”した海斗くんの元カノも、おじから逆恨みを買いつつ実に堂々としたもの。女のしたたかさを海斗くんに見せつけます。海斗くん、病院の理事長になったんだから、次からはその元カノに限度額適用認定証で窓口負担が軽減できる高額医療費制度とか教えてあげてください。

 そんなこんなで、理事長になったことで海斗くんの無能ぶりがどんどん浮き彫りになっていく『Re:リベンジ』。もとよりこの作品は、大友先生というキャラクターに大きな謎を与え、錦戸亮という俳優のミステリアスな雰囲気で引っ張っていくという物語の構造となっています。その構造自体が、海斗くんが有能だと成立しないというジレンマをはらんでしまっているんです。

 お話をおもしろくするには海斗くんの魅力的な活躍を描けない、海斗くんが魅力的な活躍をしてしまえば大友先生の正体が早々にバレてドラマがショートするという手詰まりを迎えていますが、ここはひとつ、人の不幸が大好きそうな天堂の皇一郎会長(笹野高史)よろしく、ニヤニヤしながら見守りたいと思います。

(文=どらまっ子AKIちゃん)