■レストランの予約も取れないの

 冒頭、理事長室に陣取った海斗理事長に、先々代から秘書を務める高村さん(利重剛)がこんなことを言います。

「見違えましたねえ」

「ご立派になられましたねえ」

 そう言われた海斗は「えっへん」みたいな顔をしてますが、どうひいき目に見ても海斗くん、全然見違えてないし、ご立派になられた感じもしません。まるでキッザニアに遊びに来た子どもが「りじちょう」という職業を体験学習している風景にすら見えてきます。

 その後も海斗くんは、柔らかそうな革張りのイスに座ってニヤニヤ、先代のお墓参りに行けば、その帰りの車の中でニヤニヤ、「りじちょう」になったのがうれしくて仕方ないご様子。

 そのくせ週刊時時代の部下の女性を食事に招待したくても自分じゃレストランを予約することも、料理のコースを選ぶこともできない。秘書に手配させた高級鉄板焼き屋で自分のこと好きな女の子とワチャワチャしながら、場違いな大声を出しちゃったりとご機嫌です。