◆小学生レベルの下ネタ連想

 準備万端。あとは差し入れを持ってきた渉がうまく入室するのを待つだけ。ベッド下の綾香が固唾を呑む。玄関先。ちんすこうが大好きだとはしゃぐナオミが、なんだか妙に色っぽく発音する(そもそも名前からして谷崎潤一郎作『痴人の愛』の少女と同名!)。

 ちんすこう……。はいはい、この響きからそっちに持ってくのね。もうひとかぶせ。ナオミが誘い入れる口実に、パイを作ったからとさらにはしゃぐ。

 パイとちんすこうの組み合わせ。これで“パイちんパーティ”だと命名する。いやぁ~、くっだらない。くっだらないけれど、ときにこういうのが最高に面白かったり。小学生レベルの下ネタ連想に、不覚にも吹き出してしまったのが恥ずかしい。

<文/加賀谷健>

【加賀谷健】

音楽プロダクションで企画プロデュースの傍ら、大学時代から夢中の「イケメンと映画」をテーマにコラムを執筆している。ジャンルを問わない雑食性を活かして「BANGER!!!」他寄稿中。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。Twitter:@1895cu