◆彼女の家に上がり込んでいる既成事実
ここから渉への誘惑が間髪入れずに畳みかけられる。彼が帰宅した途端、開けておいた玄関ドアの隙間から聞こえるように叫び声をあげるナオミ。人がいい渉はもちろんすぐに駆けつける。
人がいいだけでなく、内心、学生時代に淡い気持ちを寄せた相手と似た仕草をするナオミにときめいちゃってる。助けに駆けつけながら、ちゃっかり彼女の家に上がり込んでいるという事実。
この既成事実と渉が集めた不倫の証拠を天秤にかけるなら、場合によっては前者が怪しくなってくる。すると、荷解きの途中でわざと転んでみせるナオミが、渉にかぶさった拍子にキス。だから言わんこっちゃない。