◆“舞妓はん不倫”への大胆な切り返し
その人の名は竹場ナオミ(藤原紀香)。マサトの話ではどうやら役者らしい。全体のちょうど折り返しポイントに差し掛かる第6話で文字通りの役者が揃ったという感じ。渉が誘惑される側になる逆転が面白い。
玄関先。よろけたナオミを渉が抱きかかえたところへ、タイミング悪く(良く?)綾香が帰ってくる。ふたりの距離の近さにムッとした表情の綾香は、初対面のナオミに高圧的な態度でのぞむ。
のぞまれた彼女は、「よろしゅうおたの申します」と涼やかな京言葉で応じる。そこへさらに綾香が「おおきに」とかぶせる。京都で修行を積んだ舞子の映画作品では、挨拶回りの場面でよくこの受け答えのやり取りが描かれる。すると、これはなんだ“舞妓はん不倫”とでも形容すべき大胆な切り返しなのか?