◆後に続く芸人のために“システムを作る”
――一方で漫才協会の会長として今回の映画を監督され、現役の漫才師としてもお笑い芸人としても多方面で活躍されていると思いますが、人生で仕事の他に成し遂げたい夢みたいなものはありますか?
塙:本当にそういうものはないですね(笑)。個人としては旅行に行ったり、メジャーリーグの球団全部、観に行きたいとかはありますよ。そういう感じですかね。
――仕事中心みたいな感じですか?
塙:“仕事人間”みたいな人って、僕の持論なんですが、ラクをしたいから早く仕事している人っていると思うんですよね。要するに仕事が溜まることが嫌だから、仕事を受けて受けて、結局忙しくなっちゃって。でも本当は早くラクになりたくてやっているんですよ、みんな。
毎日ちょっとずつ仕事をするのが嫌だから、1日に固めて仕事しちゃったほうが次の日に休みが取れるじゃないですか。僕もそういうふうにやっていたら、1年中固まっちゃっているという感じなんです。
早くラクになりたいから漫才もハードを作って、漫才協会も1回1回営業で仕事を取ってこなくてもいいようにある程度システム化して。そうやってシステム化するためにいろいろと動いている今が一番大変なのですが、目標としてはラクになりたいんです。永遠の目標です。でもラクになんないですよ、全然(笑)。
――漫才協会には、そういう機能も持たせたいわけなんですね。
塙:そうですね。後に続く人たちみんなに道を作ってあげたい想いはあるんです。変なところで苦労しないようにといいますか。『M-1グランプリ』も、作った方は相当大変な苦労をされたと思うんですよ。僕らはそこに乗っかって仕事いただいたわけですから。
だからそういうシステムを作れたら一番いいなと思っているんです。漫才協会のテレビ、漫才協会の営業、漫才協会に入っていたらある程度飯が食えるようになるっていうものを確立したいなという願いはあるので、毎日ずっとどうしたらいいか考えています。