キム・ジョーンズのハイブランドのディレクター歴
キム・ジョーンズはこれまでに世界的なラグジュアリーブランドでクリエイティブディレクターを務め、各ブランドに革新をもたらしてきました。その華々しい経歴を見ていきましょう。
キム・ジョーンズの経歴⑤ダンヒル
2008年から2011年まで、1880年にイギリスで創業された老舗のラグジュアリーブランド「ダンヒル」のメンズクリエイティブディレクターを務めました。
主にメンズウェアとレザーアクセサリーのデザインを統括し、お得意のストリートカルチャーをミックスさせたスタイルを提案し、これまで40~50代の男性層が着用するイメージだったダンヒルが20~30代の若者層を獲得することに成功しました。
キム・ジョーンズの経歴⑥ルイ・ヴィトン
ダンヒルのデザイナーを退任してすぐの2011年には、ルイ・ヴィトンのメンズ部門アーティスティック・ディレクターに就任しました。彼は、ルイヴィトンでもラグジュアリーストリートというジャンルを確実に定着させ、若者のファンも一気に増加させました。
就任後すぐに発表した2012SSコレクションでは、マサイ族の伝統カラーを用いた鮮やかなチェックスタイルを披露したり、2015FWコレクションでは「ナスカの地上絵」の動物モチーフのあしらわれたニットなどをデザインするなど、メゾンに新たな息吹をもたらしました。
特に話題になったのは、ストリートブランドとのコラボコレクションです。2016年にストリートウェアのゴッドファーザーとも言われる日本のデザイナー、藤原ヒロシ氏が手掛ける「フラグメントデザイン」とコラボし、翌年2017年には第2弾も発表しました。
そして同じく2017年に、アメリカの人気ストリートファッションブランド「シュプリーム」とのコラボコレクションを発表したことは、ファッション業界に衝撃が走るほどの注目を浴びたのでした。発売当日には7,500人を超えるほどの行列ができた上に即完売となり、現在でもプレミアム価格で取引されています。
キム・ジョーンズの経歴⑦ディオール
7年間にわたりルイヴィトンで活躍したキム・ジョーンズですが、2018年に退任を発表した後、2019年にはディオールのアーティスティック・ディレクターに就任しました。就任後すぐに、メンズラインの「ディオール・オム」をウィメンズラインと統一し、全て「ディオール」として発表しました。
そして、ここでもキム・ジョーンズはコラボコレクションを実現します。2019年にスポーツブランド「ナイキ」が展開するジョーダンブランドとのコラボレーション「エア ジョーダン 1 HIGH OG DIOR」を発売しました。こちらも現在では、プレミアム価格が付けられるレアアイテムとなっています。
そして2020年に、アメリカのストリートブランド「ステューシー」とのコラボレーションを発表し、ディオールロゴをステューシー流に再解釈したデザインがストリートシーンでも話題となり、高い人気を博しました。
キム・ジョーンズの経歴⑧フェンディ
2020年にフェンディのウィメンズオートクチュール、レディ・トゥ・ウェア、ファーのアーティスティック・ディレクターに就任したことを発表しました。ディオールのデザイナーも引き続き務めるため、2ブランドを掛け持つ形となります。
フェンディのウィメンズコレクションは、フェンディ家3代目のシルヴィア・フェンディとカール・ラガーフェルドが長年ディレクションを務めましたが、2019年にカールが他界し、その後任としてキム・ジョーンズが選ばれたのです。
2021FWコレクションで発表されたクラッチバッグ「フェンディ ファースト」は、バッグの上部に「F」をあしらったレザー素材のデザインで、現在でも特に人気の高いアイテムとなりました。