◆友人の不思議な力に感謝
純一さんはその遊具を捨てるのが心苦しくて、つい嘘をついて自宅に持ち帰ってしまいました。
「不倫していたことにも腹が立ちましたが、それよりよくそんなドロドロの愛憎のこもった遊具で我が子を遊ばせられるなと呆れてしまいました。もちろんすぐ捨てましたよ」
そんな純一さんにはしばらくお小遣い減額のペナルティが課され、大好きな競馬も当分やらないと未華さんと約束したそう。
「今回は許しましたが、次またやったらもう無理かもしれませんね」
そして恭子さんに結果を報告すると「私のせいで、なんかごめんね」と落ち込んでしまい、気の毒なほどでした。
「私が『ううん、むしろありがとうだよ!あの遊具がずっとこの部屋にあり続けて、うちの子が無邪気に遊んでいたかと思うとゾッとするし捨てることができてよかったから』と言うと、やっと安心してくれました。
なんだか勘が働き過ぎるっていうのも…気苦労が多くて大変そうだなと思ってしまいました」と苦笑いする未華さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop