◆斉信は「男性から見てもカッコイイ」

NHK『光る君へ』藤原斉信役、金田哲さん
役作りのために藤原斉信について調べていく中で、最初は「スーパーエリートで、僕で大丈夫ですか、とは思いました」と言う金田さん。演じていく中で、さらにどういったところに魅力を感じていったのだろうか。

「いわゆる藤原F4(道長、公任、行成、斉信)の中では一番の感情型。喜怒哀楽がしっかり出ていて、わかりやすいですよね。好きなものにはとことんだし、出世欲も強くてそれを隠さない。プレイボーイであり、本当に人間味あふれる人だな、と思います。男性から見てもカッコイイ。まっすぐで分かりやすくて、そうでありたいな、という部分もある人です」

脚本の大石静氏とは青年期を演じているころに初めて対面。役についての言葉もかけられた。

「“あなたもうちょっと悪い人になっていくから、そういうふうに思っていてくださいね”と言っていただきました。そんなところも描いていただけるんだ、と。

大石さんの脚本は、みなさんと一緒に合わせていない段階でもうおもしろくて。恋文でのやり取りとかの、2人がソウルメイトになってく流れ……毎回、視聴者としてもキュンキュンしていますし、さらにドロドロとした政治の怖さや、悪い人たちの描き方も良い意味でたまらない悪さというか」

そんな斉信を演じる中で軸に置いていたのは品格だという。

「やっぱり平安貴族ですから。品格については一番気をつけています。ひとつひとつの所作だったり、言い回し、発言も品格を残さないとって」