◆うまく聞き取れないほどの声量

 海は、日差しをきらきら反射させる夏の海みたいに元気な子だ。対する夏は、海を認知し、父親として振る舞うべきなのか迷いながら、どちらかと言えば、どんよりとした雰囲気。

 第一、夏は根暗な性格ではないが、とにかく声量が小さい。目黒特有の低音ボイスの心地よさはあるものの、か細いというか、蚊の鳴くような声というのか。

 海にしろ、夏と現在交際する百瀬弥生(有村架純)にしろ、終始はつらつとしている。水季の母親で海の祖母・南雲朱音(大竹しのぶ)だってちゃきちゃき発声している。夏ただひとり、テレビ自体の音量をかなり上げないと視聴者にはうまく聞き取れないほどの声量なのだ。