■紺野、部活辞めるってよ

 おそらく、学園ドラマでスクールカーストをやろうという話になったとき、作り手の方々の頭に浮かんだのは映画『桐島、部活辞めるってよ』(12)だったんでしょう。カースト最底辺といえば映画部だし、映画部でチマチマとカメラを回してるのは、ひ弱な黒ブチメガネだし、実際あんまり映画の才能もなさそうだけど楽しそうだし。

 そんなわけで今回は、スクールカースト解消のために底辺クラス「3年0組」からスタッフキャストを募り、映画部の鈴木くん(柏木悠)を監督として映画コンテストに応募しようというお話でした。加賀美センセはビリオネアなので「ハリウッドからスタッフを集める」とか言い出しますが、秘書兼副担任の一花さん(木南晴夏)は「それじゃ意味ない、あとAIも禁止」と言い放ちます。この一花さん、自らこの映画のヒロインに立候補しちゃうくらいの映画好きで、どうやらお気に入りは『クレヨンしんちゃん』シリーズのようです。

 この動きが気に食わないのが、カースト上位の不良たち。トップの藤堂(大原梓)と城島(奥野壮)は「1軍の最下位」である紺野(松田元太)に「あの映画をぶっ潰せ」と命じますが、実は紺野くん、カントク鈴木によれば「あいつは昔、映画部だったんだ……」とのこと。『SLAM DUNK』でいうところの「三井は昔、バスケ部だったんだ……」ですね。