◆住宅の省エネ性能、気密性にはお金をかけるべき

電気代イメージ
 夫婦の意思を合わせて、工務店へ足を運んだ先で。ダメ営業マンの不要な提案には、ハッキリ“NO”と言うのも大切です。とはいえ、お金をかけるべき設備もあるそう。

「家づくりでは、数十年後の生活を見据えた『ライフサイクルコスト』を考えましょう。昨今、注目されているのは省エネ性能です。冷暖房の消費電力にかかわる住宅の気密性と断熱性にはお金をかけるべきです。ハウスメーカー各社とも断熱材などの開発に意欲的で、『次世代省エネ建材の実証支援事業』など、行政の補助金を活用できれば、費用総額を抑えられます」

 さらに、気密性にこだわるなら「ガラス」もポイントになるとか。

「住宅のデザインを重視する場合、デザイン性を重視したり、採光を取るために、窓のスペースを『大きく取りましょう』と提案されるのもあるあるです。ただ、壁と違い、窓からの熱の放出を防ぐにはどうしても限界があるんです。昨今は、トリプルガラス、トリプルサッシなどで気密性を確保できますが、完璧とは言えないので、慎重に検討するべきポイントです」

 一生に一度の買い物ではやはり、損をしたくありません。思い描くマイホームには「何が必要か」とみきわめて、かけるべきところにお金をかけ、不要な設備にはお金をかけない。その心がまえこそが、成功する家づくりの秘けつといえそうです。

【乃村一政】

(株)マイホム代表取締役CEO。1976年、奈良県生まれ。高校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)へ14期生として入学。約6年間の芸人活動を経て、訪問販売の営業マンに転身。2006年より住宅業界へ移り、2010年に奈良県でSOUSEIを設立。2021年にマイホムを設立。

<取材・文/カネコシュウヘイ>