◆ウッドデッキとカーポートは間違いの典型例

株式会社マイホムの代表取締役CEO・乃村一政さん
株式会社マイホムの代表取締役CEO・乃村一政さん
 工務店には「夢を抱えたお客さんがたくさん来る」と、乃村さん。デキる営業マンは、お客さんの生活環境をふまえて「住宅設備の要不要を絞り込み、上手に提案する」といいます。

 一方、ダメな営業マンに当たった場合は最悪。住みはじめてから必要なくなるオプションを提案され、後々で、後悔を口にするお客さんも少なくないそうです。

「家づくりは多くの人にとって、一生に一度。マイホームを夢描くお客さんは、理想を実現しようとします。ただ、とにかく『売りたい』と考える営業マンと当たってしまったら最悪で、不要なオプションをつけてしまい、完成後に引き渡されて『想像と違う』と嘆くお客さんは多いんです。費用も相場では数千万円かかるわけですから、結果として損になるのは想像にたやすいと思います」

 なかでも、間違ったお金の使い方でよくあるのは、家の品格を上げそうなウッドデッキ、雨から愛車を守ってくれるカーポート。住宅の見栄えもよくなりそうですが、その理由とは……。

「本来、どちらも住みはじめて必要になったら作ればいいんです。床下に電極や温水パイプを組み込む床暖房であれば施工時に作るのが一般的ですが、ウッドデッキやカーポートは、生活必需品かといえば優先レベルはだいぶ低いですよね。それでも、ダメな営業マンの誘いに乗って作ってしまい、結果、メンテナンスが行き届かずに朽ち果てたままの住宅もよく見かけます」