◆早く世に出られてよかった

キンタロー。さん
そんなキンタロー。さんが目指していたのは、ギャガ―。

「FUJIWARAの原西さんみたいな瞬発力のある、もう身ひとつで、すぐに出てすぐに笑いがとれる、というのに憧れますね」

ブレイクも早く、あっという間に多くの人が知る芸人へとステップアップしていきます。でも、それが達成できたのは「自分は後がなかったから」だと言います。

「私が養成所に入ったとき、すでに29歳だったんです。周りは年下の子たちが多くてサークルのような雰囲気でした。楽しんでいらっしゃいますね、スクールライフを! という中で(笑)、私はいろんなものを捨ててきてて後がないし、この子たちより寿命が短いって思ったから、もうなりふり構わずチャンスは全部トライしていこう、と。事務所の斡旋のオーディションだとか、来てください、と言われたものは全部受けていました。

自分なりの努力と課した重荷と引き換えにいろいろ学びがありました。純粋にここにいていいんだなって思って。早く世に出れてよかったなって」

でも、すぐにブレイクしたからこその苦労もありました。

「とある先輩芸人に電話で『その出方は一発だよ。気をつけなはれや』って言われて。そんなこと、電話でわざわざ言わなくてもいいのに、と思ったりもしましたね。私を心配してのアドバイスだったと思うのですが、私はもともと自尊心が低いので、そのアドバイスは私のモチベーション的に逆効果だったんです。そういうせめぎ合いの中でとにかくもがいてもがいて今に至ります。一番なりたいことになれたので、いかにここで泳いでいられるか、ですよね」