■行旅死亡人がおもろいという話

 今の時代にはいろんな情報がインターネットに掲載されておりまして、以前からたまに「行旅死亡人データベース」というサイトが話題に上がってたんですね。最近では、令和3年に京都の蔵で見つかった遺体の情報がバズったりしてました。約19cm四方の座布団の上に、大賞10年5月15日発行の新聞紙に包まれた頭蓋骨が見つかったとか。ほかにも、データベースを眺めていると、いろいろ想像をかき立てる実例がたくさん掲載されています。めちゃくちゃ不謹慎な言い方をしてしまえば、行旅死亡人にまつわる話って、確かにおもろいんですよね。

『GO HOME』は、そんな遺体の身元を調べて遺族の元に帰すことを仕事としている方々を描いた原作ナシのオリジナルドラマ。基本的には「この遺体は誰なのか」を軸としたミステリーとして進んでいくようです。

 主人公は「身元不明人相談室」で働く2人の女性。小芝風花が演じるサクラはどうやら学生時代に歩道橋から飛び降りて死のうとした過去があって、大島優子が演じるマコトは現在進行形で彼氏だか夫だか、身内に行方不明者がいる。そういうバックグラウンドがある2人が、事件解決(身元判明)のために奔走することになります。

 すんごい重たいテーマを扱うわけですが、ミステリーとしての楽しさも埋め込んでいくようで、第1話では学校の理科室で見つかった骨格標本が実は1年前に死んだ人間のもので、標本マニアの理科教師が山で拾って持ち帰ってきたという「変態やんけ」という楽しい謎の提示からのスタートでした。