◆ライフステージは具体的に思い描く

会話するカップル、夫婦
 マイホームでは、家づくりに備えた「計画性」が大事。自分や家族が将来「どんな生活をしたいのか?」を具体的に、想像しておくのが肝心だと乃村さんはいいます。

 後悔、絶望するタイミングには「フェーズ」があるそうですが、戒めとして覚えておくべきです。

「まず、建設中にマイホームへの違和感をおぼえる人はまれです。ほとんどの場合、完成後に引き渡されてから、つまり、住みはじめてから気が付きます。経験上では、水回りなど細部への後悔を抱くのが引き渡しから約1~3ヶ月ほど。取り返しのつかない生活動線や部屋の使い勝手など、大きな絶望を感じるのは約半年~1年ほどです。

 予防するには、建設前にしっかりと計画を練るのが一番です。家づくりを検討するのは結婚、出産のような人生の転機をきっかけとする方が多いですが、ライフステージの変化を数十年先まで見越して、夫婦そろって話し合っておくのも必須。お子さんがいるなら『いずれ自立して家を出て行ったとき、子ども部屋はこう使って……』と、想像力を働かせるのが幸せな家づくりの秘けつです」

 一世一代の大きな買い物であるマイホーム。家づくりは、人生をかけた大仕事になります。じわじわと苦しめられる後悔、絶望のダメージを負わぬよう慎重に、夢を実現しましょう。

【乃村一政】

(株)マイホム代表取締役CEO。1976年、奈良県生まれ。高校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)へ14期生として入学。約6年間の芸人活動を経て、訪問販売の営業マンに転身。2006年より住宅業界へ移り、2010年に奈良県でSOUSEIを設立。2021年にマイホムを設立。

<取材・文/カネコシュウヘイ>