◆今回の声優は「雇われ芸」

――以前に伯山さんは、爆笑問題・太田光さんのシリアスなロングトークに「ピカソ芸」と秀逸なネーミングをしましたが、今回ご自身の声の演技に「〇〇芸」と命名するなら、なんと付けられますでしょうか?

神田伯山
伯山:何だろうな(笑)。今回のお仕事は芸でやっているという感じでもないんですよね。雇われ芸ですかね(笑)。雇われてやっていますので。

まあすべてのものが雇われ芸ですけれども、つまり講談だと自分で監督しているわけですよね。もともとの演出 だって脚本だってありますが 、自分で原型ないくらい変えることもあり、演者自分で演出自分みたいな。そういう中でOKを出してるのは結局は自分なんです。

ところが、今回のように監督がいて、監督のOKをいただいて、主人公の荘太郎だけに関わっていくというのは、これは僕にとっては普通じゃなかったんです。

荘太郎という人物の中にどれだけ入っていけるのかということは考えました。それは面白い体験でした。