違法アカウントを運営している視聴者のほとんどは、おそらく、くるまと永野が好きである。好きな人から、ガツンと言われてしまったのだから、悲嘆に暮れるのもよくわかる。

『水曜日のダウンタウン』(TBS系)のプロデューサーである藤井健太郎氏は、「テレビ等の映像を無断でネットにアップすることの良し悪しって、動画か静止画かってとこもあるんだけど、何より別の目線がついているかどうかだと思います。」と自らの6年前の投稿をリポストし、こうした問題について、テレビ関係者は長く頭を悩ませてきたというアピールしている。

 また昨年7月には、『クレバーなクレーマー』のディレクターであるテレビ朝日の秋山直氏が「NEWSポストセブン」の取材に応じた際、番組中のテロップの入れ方について「SNSを意識してやってます。ホントはいけないんですけど、Twitterで切り抜いている人いるじゃないですか。Twitterって画像4枚なので、4コマ漫画のように4つで落ちるように特徴的なテロップをつけてます」と語っていたこともある。

 作る側と見る側、それぞれに事情があり、思いがある。SNSの発達はテレビの力で止めることはできないし、視聴者がいなければテレビは存在しえないものだ。

 同じ取材記事で秋山氏は、「演者さんに対しても、視聴者の方に対しても、あの番組ダセぇなって思われることだけは絶対にしないでおこうっていうのを一番大事にしています」とも語っている。一視聴者として、作り手に「ダセぇ」と思われない楽しみ方をしたいものだ。

(文=新越谷ノリヲ)