初婚女性なら、この男性を選んだか？
実はこの話には、いくつかの裏があります。まずは信一さんについてです。
容姿はモテにくい
実は信一さんは信一さんで婚活を意識し、相応に出会いの場へ足を運んでいたのですが、ロクにモテませんでした。ひとまず容姿や第一印象は、少なくとも初婚女性からすると、決して良くはない男性だったのです。
女性とのコミュニケーションも下手
また信一さんは、そこまで女性とのコミュニケーションが上手な訳でもなく、中々デートに誘ってもOKを貰うことができませんでした。
中堅企業の年収500万円
婚活現場や出会いの場においては、信一さんの「中堅企業勤務で年収約500万円」というのは、けっして魅力的に感じてもらえません。年収や会社の条件だけなら、他にもっと良い男性は、いくらでもいますからね。
子持ちだからこそコミュニケーション上手に
この二人の縁には、美幸ちゃんの存在が、とても大きな役割を果たしました。
絵里さんからすれば、美幸ちゃんが先に信一さんに好意を持ったからこその再婚です。まるで、「将を射んとすれば、まずは馬から」のようですね。
逆に信一さんからすれば、美幸ちゃんがいたからこそ、絵里さんに女性とのコミュニケーション下手を悟られず、むしろ手慣れた子供との応対で、株を上げる事に成功しました。
信一さんには、美幸ちゃんとほぼ同い年の姪っ子がいて、元々子供好きだった性格も手伝って、子供への応対は上手だったのです。
信一さんが「美幸ちゃんも連れてのデート」を提案したのも、結果論ですが、こういった要素もあったのでしょう。
「離婚経験」や「子供の有無」については、なんら女性の再婚を妨害するものではありません。安心して婚活に励みましょう。
夫婦生活に本当に必要なものは何？
ところで、絵里さんはあまり意識されていませんでしたが、実はこの話には、もう一つ大きな要因があると筆者は感じました。それは、絵里さんが一度は結婚を経験していて、そして自分の夫婦生活には「何が必要か」を理解していた点です。
少なくとも絵里さんは、初回の結婚の時にはお金では苦労しておらず、元旦那の不倫や人間性が離婚原因でした。そんな絵里さんなら、お金や年収では男性を選ばず、不倫の可能性や人間性で男性を選ぶのも、当然のことでしょう。
また絵里さん自身、元々贅沢を好むような性格をしておらず、そして自身も普通に働いていたため、当初から男性の年収をある程度無視できた点も大きいです。
もし絵里さんに十分な年収が無かったら、そもそも最初の結婚でアッサリ離婚できたでしょうか。
今、婚活中の人たちに言えることは……
結婚への願望を緩く考えよう
一つ目は「もう少し、結婚への憧れや願望を緩く考えてもいいのではないか」とも感じました。そして、一度は失敗も覚悟して結婚を経験してみるのもアリだと思いました。
最近の婚活現場で初婚の方は、結婚未経験だからこそ、男性に相応の年収を求め続けます。この姿勢はいくつになっても中々変わりません。
そもそも女性も様々で、しかも人間関係には相性もありますから、高年収の男性と結婚したとしても、誰もが幸せになれるハズがありません。そしてだからこそ、先ほどの「夫婦生活に本当に必要なもの」も女性によります。
年収300万～400万円でも十分である可能性
一般的な婚活女性は、年収300～400万円台の男性をバッサリ見切るものですが、これで十分という事も多いのです。
少し余談ですが、筆者とは信一さんとの結婚後に出会い、そしてライフプラン相談を受けて頂いた仲です。それで分かったのですが、絵里さんの望む生活と今後の展望を数値化すると、信一さんの年収は400万円でも事足りました。
こういう男性からも声がかからなくなる前に、一度結婚してみて年収を含めて、自分の結婚相手に必要なものを知る方が良いのではないでしょうか。ちなみに年収だけなら、筆者なら必要最低額を計算できます。
経験に勝る武器はない
そして一度結婚できたら、仮に失敗しても次が見つけやすくなるのが基本です。なぜなら離婚理由のトップは「性格の不一致」ですから、絵里さんのように、相手の年収以外の部分に目がいくことが多いですからね。もちろん中には「バツイチだからって安く見るな」という相変わらずな女性もいますが、きっとあなたは違うと筆者は信じます。
年齢に勝る武器がないのが婚活ですが、同時に「経験に勝る武器がない」のも、また当然の道理といえるでしょう。結婚で失敗したくないのは誰もが同じですが、仮に失敗しても、それは成功の元です。
もしチャンスがあれば、早めに一度結婚してみて、自分の望む結婚生活には何が必要かを感じてみてはいかがでしょう。そしてそのためにも、相手に求める条件を十分に下げておくことが重要です。
変えようのない現実も
考えたくないイヤな現実ですが、晩婚化したと言われている今でも、男性は35歳までの女性との結婚を望む強い傾向があります。
しかもこれは、男性の年齢や年収を問いません。焦る必要はありませんが、この「変えようがない現実」だけは、常に意識した婚活を心掛けましょう。
文・婚活FP山本／DAILY ANDS
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