◆ワンルームで引きこもるか、夫の実家でストレスに耐えるか

 さらに、ベビーカーが買えないことも大きな悩みのひとつ。

「玄関も廊下も狭く置き場がないので買えないのですが、娘が生後3か月を過ぎた頃から抱っこのしすぎで腰が悪くなってしまって。抱っこ紐で外出するとすごくしんどいんです。近隣の視線が恥ずかしいわ腰は限界だわで、買い物はもっぱらネットで済ませるようになり、すっかり引きこもりになってしまいました」

 とはいえ、引きこもり生活にも辛いものがあり……。

育児から逃げ場のない生活
「部屋が狭いのでどんなに泣かれても逃げ場がなく、一人になれる空間はトイレとお風呂だけ。最近、本当に何も楽しいと思えなくなってきちゃって。『なんでこんなみじめな生活をしているのか』と思うと涙が出てきて、一晩中しくしく泣くことも。ヤバいですよね」

 そんな安藤さんを見かねた旦那さんは、いったん旦那さんの実家で暮らすことを提案してきましたが、それは断ったとか。

「義両親に加え小姑もいる家で暮らすのは、それはそれでノイローゼになりそうで。でも、娘のことを考えたら、本当に頭がおかしくなる前にお世話になったほうがいいのかな……」

 いまは、復職して引きこもりから解放される日を心待ちにしているそうです。

―シリーズ 貧困の沼、転落の淵―

<文/持丸千乃>