◆理想とは真逆の毎日に追い詰められていく

 祖母の世話をしながらフルタイムで働く母親を頼るのは難しく、産後はそのままマンションへ。

「部屋が狭いのでベビーベッドの購入を諦めたのに、それでも買いそろえたベビーグッズで部屋の中はゴチャゴチャ。こんなところで親子3人でご飯食べて川の字で寝るのか……と思ったら、せつなくて涙が出ました。生まれたばかりの娘はかわいいけれど、思い描いていた生活とあまりに違いすぎて一気にマタニティブルーがやってきた感じでしたね」

抱っこのしすぎで腰を痛める
 慣れない赤ちゃんの世話に疲れと睡眠不足が加わり、環境が整っていても精神的に参ってしまう人が多い初めての育児。安藤さんの場合は環境に不満だらけということもあり、どんどん追い詰められていったとか。

「娘を連れて部屋を出ると、バッタリ会ったほかの住人が明らかに驚いた顔をするんですよ。『ここで子育てしてるの!?』って感じで。単身者用のマンションですから当然ですよね。造りも頑丈ではなく音が伝わりやすいので、娘が泣くたびにヒヤヒヤ。管理会社に苦情を言われて出て行くハメになったら困る……と。いまは私も育休中だし、今後どうなるかわからないし、引っ越す余裕はありませんから」