シンデレラの物語の中で、男性の王子様がレディース下着を着用している。その姿を指さして、客席に向けて「変態でした」と告げる。

 一昔前なら、なんの問題にもならないやり取りだろう。だが、世の中は大コンプラ時代を迎えている。もし『M-1』の大舞台、生放送でこの一連が放送されれば、おそらく大炎上していたはずだ。どう取り繕っても「変態でした」は悪口でしかない。悪意がないことはわかっている。だが、そういう時代なのだ。メジャーの舞台に立つとはそういうことだ。

 フースーヤの最大の売りは、ナンセンスであることだろう。だからこそ、ネガティブな意味を生んでしまうワードは意識的に避けるべきだし、本人たちが気づかなければ周囲が指摘するべきだろう。

『M-1』ファイナルへの道が見えてきた今だからこそ、もう一度見直してほしいところだ。

(文=新越谷ノリヲ)