Bブロック
エバース、プレッシャーがかかっていたのか2人ともミスが多かったが、町田が乗り始めると手が付けられない。『M-1』のケンタウロスにしろ、今回の車にしろ、佐々木の変な発想を「受け入れそう」と思わせる町田の存在感は、やはりエバースの大きな武器だ。
4年目で初エントリー初決勝のピン芸人・やました。友近、横澤夏子、柳原可奈子の系譜にありながら、切なさをまとっているのが目新しく感じたところ。芝居はめちゃくちゃ達者で、ワードもあり、展開としても「健気でかわいそうな女性」から最後には「黙れよ」と思わせるところまで持っていったのは見事。「なんで3年も付き合ったん?」というセリフには痺れた。
3番手のフランスピアノは、何をやってるかわからない時間帯からバラシまで長い時間を使った勇気あるネタ。「重いカバンを軽く見せるパントマイム」という一発のアイディアの強さはあったが、そのアイディアを具現化したときのフィジカルの部分で、実際になかがわが「軽いカバンを重く見せるパントマイム」を完璧にやらなければいけないというハードルが発生してしまっていたのがアンラッキーだった。
青色1号はラストイヤーでエースネタを1本目に持ってきた。これでダメならしょうがないという覚悟が見えたし、積み重ねてきた結果がこの「テンポとお祭り感」だったというのが、トリオとしての幸せに見えてうれしかった。そうめんってなんだ。
予想はエバースか青色だったが、青色の勝ち抜けを祝福したい気分だった。
(文=新越谷ノリヲ/後編につづく)