■ワチャワチャな職員室と殺伐の教室

 主人公・加賀美のキャラはオラオラ・上から目線な天才として設定されています。そして、それを常に茶化しているのが秘書の一花という関係性。この一花の堂々とした振る舞いが効いているので、絶世の美青年かつ天才かつ傲慢な加賀美という人間が、まったく嫌味に見えないんですね。

 バラエティ豊かな職員室の面々とのやり取りは、まるで世界でいちばん美しい池乃めだか師匠です。アドリブ交じりの丁々発止も、実に楽しい。

 一方で、落ちこぼれが集められた3年0組は、あくまで殺伐としています。不良生徒がからんでくることもありますが、ここでAIスーツが役に立つわけです。着用者の危機をAIが察して筋収縮を起こさせますので、結果、AIスーツを着ている人はケンカ最強になることができる。

 トニー・スタークを演じたロバート・ダウニーJr.もハリウッド俳優としてはだいぶ小さいほうでしたが、このドラマでは山田涼介の身長の小ささがコメディとしてもアクションとしても、すごく映えています。今回、フォーカスがあたる生徒役だった水沢林太郎との身長差は20センチ近く。その身長差のある2人をあえて象徴的に対峙させるカットもあったりして、山田涼介が「小さい」こともちゃんとキャラクターに入れ込んでいる潔さも、このドラマが気持ちがいいと思わせる一因になっていると思います。木南晴夏もでかいしな。