◆「かわいい」だけを軸に生き方の指針を示すスゴさに驚愕
子ナシのアラフォー社会人である筆者も、がぜん興味がわいてしまったので、実際に読んでみることにしました。
本書は率直に言って、凄い。何しろこの一冊で、見た目・内面・コミュニケーション・SNS・性etc……とんでもない幅を網羅しているんですよ。ハッキリ言って、取りこぼしがない。「かわいい」という言葉だけを軸に人間の生き方の指針を示せるなんて、驚愕するわ面白いやら。なんなら、感動すら覚えました。
その一方、一瞬でかわいくなれる魔法なんてないんだという現実に、改めて頭がクラクラしました。
“かわいい”を構築する要素は一つじゃない。ルックスではなく内面を磨く努力、さらに社会のルールやマナー、人間関係も含めて“かわいい”は成り立つものなのだ、と本書は教えてくれます。
今振り返ると、私が子ども時代に目を通していたこの手の本って「〇〇すれば絶対にかわいくなれる!」みたいなことしか書いてなかったように思います。ある種、優しい世界であり、裏を返せば子供だましの言葉を囁かれていただけだったような気も。
そんな甘言をまるっと信じて、努力もせずに“かわいい”を手にしようとした人間の成れの果てが今の私なわけですよ、ええ。
本書が教える現実、それは決して厳しいものではなく、むしろ当たり前のこと。ステキな人と思ってもらうにはどうしたらいいか、子どもにもわかりやすく、大人も共感できる書き方で伝えてくれているんです。
だからこそ、本来のターゲット層ではない大人たちにもしっかり響いたのではないでしょうか。
本書が提示する「かわいいのルール」を、子ども時代から知っているか否かで、大人になった時の生き方はだいぶ変わるじゃないかと強く感じました。本書を子どもの時から読める人が本当にうらやましいですね。